君のクラスの一番うしろ

思うところがあって「パーマン」新装版を読み返す
その中に「パーマンはつらいよ」という話があります
これはファンの中でも評価の高い傑作エピソードです
いくらいい事をしても褒められるのは仮の姿のパーマン
須羽みつ夫は周囲からバカにされる…
授業中の居眠りもパーマンの任務で徹夜してるからだというのに…
みつ夫はバードマンにパーマンをやめると伝える
バードマンは「つらくてもほめられなくてもしなくちゃいけないことがある」と止めるが…


また響鬼の話ですいませんが
響鬼にも「やりたくなくてもやらなきゃいけない事がある」という話がありましたが
その時は出てくる必然性がなかったり説得力がなかったりで説教臭く感じたんですが
この「パーマンはつらいよ」ではみつ夫がバードマンの言葉に反発する
「意味は自分で考えなさい」という言葉にも「そんな言葉はごまかしだ!」と頑なだ
ある地方で水害が起きてもみつ夫は出動しない
仲間の呼びかけにも耳を傾けない
しかしいざ眠ろうとすると水害に苦しむ人の顔が浮かんでしまう
みつ夫は結局パーマンとなり出動する事にする
その際バードマンに「だれにもほめられないのになぜ行くんだい?」
と逆に聞かれたみつ夫はこう答える
「わからない、でも行かずにはいられないんです わけはあとで考えるよ」


これだ!僕の考えるヒーローの真理はこれなのです!
パーマン(秘密のヒーロー)であることで損をする部分をちゃんと描き
最後に誰かの言葉でなく主人公みずからが
「損をするのは嫌だけど苦しんでる人を見殺しにするのはもっと嫌だ」ということを
無意識に自覚し(無意識だから「わけはあとで考える」と言っている)
しかもそれをモノローグとかで安易に書かない
以前僕が書いた安っぽい反戦ドラマとかの対極にある話だと思います


そんなみつ夫を見送ってつぶやくバードマンの一言は
何度読み返しても泣いてしまいます


ちくしょう!「感動なんて心の汚い人間や目のにごったやつがするもの」なのに!
浦沢義雄先生の名言)