神と神が神映画だった話

もう一週間以上前ですが「DRAGONBALLZ 神と神」観てきました
もう良作とか傑作って言葉じゃ納まりません これは鳥山明です!


事前に鳥山先生がストーリーに関わると聞いたときから
微かに期待はしてたんですが
キャラをちょっと作っただけだったりってパターンがよくあるので
期待しすぎないよう警戒もしていました
しかし「最初に用意されてたストーリーがちょっと暗かったので明るく修正した」
という話を聞いてから俄然期待のほうが大きくなり
見てみればこれが大当たり!


(以下ネタバレ)






鳥山先生が大きく関わってるであろうことを想像させるのが
端々まで「鳥山っぽさ」に溢れたセリフまわしの数々
ビルスの「テレビアニメおよそ1本分だな」とか
悟飯の「足とかは撃たないでよー地味だから ちゃんと顔を狙ってね」
みたいな そういう鳥山マンガにおいて重要な「どうでもいい会話」の面白さが
十二分に味わえます
ビルスがプリン食えなかったことで異常にキレるところとか
(あのくだらなさ何かを思い出すと思ったらネコマジンZの彼女のチチを揉まれて
超サイヤ人になる奴に近いな…)


ネコマジン 完全版 (ジャンプコミックス)

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チチを もんだなーっ!!!


人によってはバトルの尺を削って入れすぎじゃないかと思われるかもしれませんが
セル編のあとでかなりギャグが増えたブウ編の更に後なら
これぐらいの配分でいい気もするんですよね
まあ後述しますが脇キャラのバトルはもう少し見たかった気もしますが


さらにこの映画「ベジータファンは見たほうがいい」と言われてますが
まさしくその通りで ブウ編終盤では「チチの乳の写真を!」とか言ってたとこから
さらに進化して(?)してあのダンスシーンですからね…
ただベジータってカッコつけるわりにうまくいかなくてネタ化される事も多いですが
それだけで終わらせなかった所がとにかく素晴らしいんですよね この映画は
「俺のブルマをーっ!!!」を名シーンに挙げる人は多いと思うんですが
あのシーン自体かそれともビルスに一矢報いたシーンで燃えるかは
結構男女差がありそうな気がしますね 自分は後者でした
とはいえその後あっさりやられてしまうわけですが
(そりゃ超3でも敵わないんだから当然)
このベジータの行動が後の悟空の行動に繋がってるというのが
鳥山先生の構成力の非凡さを現してると思うんですよね


満を持して登場する超サイヤ人ゴッドですが
(登場方法を神龍に聞くっていうのは今までなかなかなかった願い事ですね)
わりとその後の作品ではありそうなパワーアップ方法で…とはいえ
サイヤ人が元々野蛮な種族なのを考えると「正しい心を持った五人のサイヤ人」って
結構難易度高いですね…
で、その悟空が「(ゴッドに)不満がある」と言ったあたりでもう僕は
精神的に前のめりになってました そうそうここで一ひねり入れてこそドラゴンボールだ!


「自分の力でこれぐらい強くなれなかったのが悔しい」という理由は実に悟空らしくて
悟空って地球がどうしようもないほどのピンチの時は
味方と協力したり 元気玉や融合を使うんですが
ホント言うと「自分ひとりで戦って勝ちたい」と思ってるんですよね
顕著なのは純粋悪ブウ相手にポタラを使う事を選ばず
一対一で(ベジータとじゃんけんして)戦おうとしたあたりでしょうか
最終回も自分の最強の相手を育てようと旅立っていって終わりですし
そんなふうに思って当然の悟空がゴッドになった理由が
「あのベジータが周りのためにプライドを抑えて行動する姿をすげえと思ったから」
ってのがめちゃくちゃグッときたんですよ
「すげえだろ オラちょっと尊敬しちまった」ってセリフでもうホロリですよ…
これをビルスと二人きりの場面でポツッと言うのもいいんですよね…
ブウ戦の「おまえがナンバーワンだ」と対になってるという意見を見てああなるほどと…
前述のようにベジータにギャグをやらせておきながら単なるいじりに終わらせない
ここらへんが流石すぎてもう…


最終的に悟空が勝てずに終わるという結末も僕はすぐ腑に落ちました
初期の「天狗にならないよう上には上がいると教えてやる」ために
ジャッキー・チュンに扮した亀仙人が悟空を負かした頃からそうですが
悟空って結構重要な戦いで勝ってないんですよね
天津飯にも負けるしラディッツ戦やセルゲームは犠牲になって死ぬし
ベジータとの初戦も個人としては実質負けだし
重要な戦いでの勝率は半々ぐらいじゃないかなぁ…


だから「悟空が負けるなんて納得いかない」といってる人は
アニメを一時期だけ見てた人とか(特に過去の劇場版Zはみんな敵を倒してENDだし)
原作を途中で読むのやめた人(フリーザ編で終わってればよかったブウ編は蛇足とか言う人)
じゃないかと思うんです 
それは分かるんですがだからって「あれじゃドラゴンボールらしくない」とか言われても
原作全部好きな僕からしたら「いやあれ以上ドラゴンボールらしい話があるかよ」という感じなんですよね


「まだまだ強い奴はいっぱいいる」という終わり方も
単にインフレを逆手に取ったようにも見えるけど
「帰ってきた」と思った作品に「まだまだ先があるぞ」と見せられたという衝撃は
初めてに近くてまさにワクワクすっぞ状態でした
考えてみたらウーブが出場したあの武道会では悟空はほとんど本気出してないんで
その間にいくら強くなっててもあんまり問題ないんですよね
悟空 ベジータ ピッコロの戦い分かってるグループでまとめ会話した後に
最後に入ってくるのがブルマとウーロンの初期パーティなのが
また泣かせてくれますね


EDの映像は最初はアニメなんだから原作絵でやることないんじゃと思ったんですが
この作品の「鳥山濃度」を考えるとあれでいいんだなと思いますね


まあ僕の直情的な勢い感想よりこちら↓
http://d.hatena.ne.jp/McCammon/20130409/1365510793
の方が的確にどこが凄いか書かれてると思います(丸投げ)


最後にいくつかツッコませてもらうと
年代的に悟天やトランクスは10〜11歳になってると思うんですが
むしろ本編より幼くなってるような…
ドラゴンボール改のブウ編があったらトランクスの声も
もう少し低くなってただろうか…


あと悟空VSビルスとか肝心所はそうでもなかったですが
基本作画にそれほど力が入ってなかったような…


あと悟飯がビルスにかかって行ったりゴテンクスフュージョンするあたり
カットされてるのか場面転換が急だったような
元々120分の予定が85分になったとかホントなのかな…


それとヤムチャの最大の見せ場が
ドラゴンボールが一個少なくなってることに気付くだけ」って…
いやセリフがなかったプーアルよりいいですが
チチ役で渡辺菜生子さんが出てたのでガヤで喋ったかもしれんけど
ただパンフでのこの書き様は…事実だけどひでぇ…